ささくれの症状
ささくれの原因
ささくれの対処法
ささくれの予防法
モイストヒーリングによるキズの手当て
ささくれの症状
ささくれは、爪まわりの皮膚が乾燥して、角質がめくれ上がってしまっている状態です。寒くなって乾燥する季節に起こりやすいといわれています。 キズは小さいですが、洋服の繊維などにひっかけてむけてしまうと激しい痛みを伴います。 *「ささくれ」は「さかむけ」と同義です。
ささくれの原因
・寒さ・乾燥
寒くなって空気が乾燥してくると、指先の皮膚の水分や油分が失われて乾燥が進み、爪まわりの皮膚がめくれ上がってしまうことがあります。
・水、洗剤など、外部の刺激
洗剤を使った水仕事による指先の炎症や、こどもの場合はドロ遊びなどの刺激が、ささくれのきっかけとなることがあります。
以上のような外部からの刺激以外に、栄養の偏りによって皮膚の潤いや脂分が不足することも、ささくれの原因と考えられています。
ささくれができたときの対処法
ささくれの症状に対しては、以下のような対処方法があります。
・ひっかけやすい飛び出した部分を、爪や眉用のはさみや、キューティクルニッパーで丁寧にカットする
・乾燥しないよう、保湿性の高いハンドクリームや軟膏をつける
・モイストヒーリングができる治癒タイプのばんそうこうを貼る(治癒タイプのばんそうこうを使用する場合は、保湿クリーム等との併用はしないでください)
ささくれができた場合、つい指で引っぱって取りたくなりますが、無理にはがそうとすると健康な皮膚まで傷つけてしまうため、やめましょう。一方で、ささくれを放っておくと、服を着る時に繊維に引っかかって引っ張ってしまい、キズが広がる可能性もあります。自分で引っぱったり、何かにひっかけたりして皮をめくってしまうと、キズが深くなり、そこから菌が入ることで化膿してしまうことがあるので、治癒タイプのばんそうこうなどを貼るなどして保護しましょう。
ささくれの予防法
ささくれになりやすい方には、以下のような乾燥予防もおすすめです。
水仕事の際はゴム手袋を着用する
皮膚を保護している油分・水分を保ちの潤いを守るバリアを壊さないために、洗剤や水・お湯を使う際にはゴム手袋を着用するようにしましょう。
皮膚を水で濡らしたら、水気をしっかりふき取る
皮膚が濡れたままになっていると、皮膚の水分も一緒に蒸発してしまいます。素手で水に触れた後は、吸水性の良いタオルやペーパーでしっかりと水分をふき取りましょう。ふき取るときは力を入れてゴシゴシせず、やさしく、皮膚を押さえるようにしましょう。
熱いお湯の使用に気を付ける
熱いお湯で手を洗ったり、シャワーを浴びたり、長く湯船に浸かったりすると、皮脂が失われやすくなり、乾燥を招きやすくなります。温度を下げたり、熱いお湯に触れる時間を短くしたりしましょう。
保湿ケアを行う
お風呂に入った後や、水仕事の後など、水・お湯に触れた後は、保湿クリームや軟膏などの保湿剤を塗るようにしましょう。保湿力の高い成分が含まれたクリームを使うと良いでしょう。
部屋の乾燥を防ぐ
冬の季節や、エアコンをつけているときなど、湿度の低いところで過ごしていると、皮膚の乾燥が進みやすく、ささくれを起こしやすくなります。加湿器やお湯を焚いて、部屋の湿度が低くならないようにしましょう。
手袋をして外出する
寒い季節は乾燥した冷たい外気に皮膚がさらされ、部屋の中にいるときよりも皮脂や汗の分泌が減り、ささくれを起こしやすくなると考えられます。外出時は手袋を活用するようにしましょう。
*爪のトラブルは専門医に相談を
爪のトラブルは爪だけに問題がある場合と、全身疾患の症状として爪に変化が見られる場合があり、原因によって治療法も異なります。自己判断をせずに専門医に相談することをおすすめします。
「モイストヒーリング(湿潤療法)」 によるキズの手当て
ひと昔前は、「キズは消毒して、乾かして、かさぶたを作って治す」というドライヒーリングの考え方が主流でした。しかし近年では、ヒトが生来持っている自然治癒力に着目した、「キズをしっかり覆い、潤い(体液)を保ってきれいに治す」、モイストヒーリングというキズケアが一般的になってきています。
キズを負うと、キズ口から体液(滲出液)が浸み出してきます。この中には、キズ口の異物や雑菌、不要となった組織を排除するための因子、またキズをきれいに治すための因子などが含まれています。モイストヒーリングでは、キズを治すための成分が含まれた体液(滲出液)でキズ口が覆われるため、体液を拭き取ったり、ガーゼに吸わせて乾燥させてしまったりするよりも、治癒のスピードは比較的早くなります。
また、キズが早く治る以外にも、乾燥を防ぐことにより痛みを軽減することができたり、かさぶたを作らないことでキズあとが残りにくくなったりすることも、モイストヒーリングのメリットです。